以前、有名な元野球選手が心筋梗塞で亡くなったという報道がありました。その方は、現在も球団コーチとして活躍していた方でした。そんな健康な人が突然命を落とす心筋梗塞とはどんな病気でしょうか?まず、心臓が動く「しくみ」からお話させていただきます。心臓の外側を這うように、大きく3本の直径数ミリの動脈が流れています。その動脈を冠動脈(冠状動脈)といいます。冠動脈は心臓に酸素や栄養分を運び、運ばれた酸素や栄養分を使って、心臓は動き続けています。その酸素や栄養分を運ぶ冠動脈が詰まって血液が流れなくなり、心臓の筋肉が死んでしまう病気を「心筋梗塞」といいます。
ではどうして、冠動脈が詰まってしまうのでしょうか?その、一番の原因とされているのがLDLコレステロール(悪玉コレステロール)です。血液中のLDLコレステロールが多いと、冠動脈の内側の壁にコレステロールが吸収されます。吸収されたコレステロールによってか冠動脈の内側がどんどん厚くなり、血液が流れるスペースが狭くなって、血液が流れにくくなります。この状態を狭心症といいます。心臓が一生懸命動くような時に、心臓の筋肉に十分な酸素や栄養が供給されないために、胸の痛みが現れます。心臓の動きがゆっくりになると、心臓は酸素と栄養分をたくさん使わなくなり、痛みも消失します。さらに、冠動脈の内側の壁にコレステロールが溜まり過ぎると、冠動脈の内側がどんどん膨らみ、膨らみすぎて壁に穴があいて、コレステロールなどが冠動脈の壁の中から血管の中に流れ込み、血管をふさいでしまいます。その結果、血液が流れなくなり、酸素と栄養分が供給されなくなった心臓の筋肉は壊死してしまいます。壊死した範囲が広い場合などは突然死に至ることがあります。健康診断でLDLコレステロールが高いといわれたら、注意が必要です。コレステロールを下げることにより、心筋梗塞になるリスクを軽減できますので、医療機関の受診をお勧めします。コレステロールの他に、心筋梗塞のリスクとして喫煙、糖尿病、高血圧があります。日々の生活習慣の改善で心筋梗塞を予防しましょう