糖尿病とは
2007年の厚生労働省の国民健康・栄養調査では糖尿病が強く疑われる人が約890万人、糖尿病の可能性が否定できない人が約1320万人、合わせて約2210万人にのぼります。しかし糖尿病が強く疑われる人で「現在治療を受けている」と答えた人は約半数に過ぎず、大きな問題となっています。
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(=血糖)が高い状態が続く病気です。のどが渇く、水分を多く飲む、尿の量が多いなどが典型的な症状ですが、初期には症状が出ないことがほとんどです。症状がないからといって、放っておいてはいけません。高い血糖値が続くと、何も症状がなくても、合併症が進んでしまいます。
合併症には①細い血管の障害によって起こる3大合併症と②太い血管の障害によって起こる合併症があります。 ①の3大合併症は、網膜症、腎不全、神経障害です。網膜症は、目の奥にある網膜が障害され、失明に至ります。腎不全は尿中にたんぱくが漏れるようになり、さらに進むと腎不全の状態になり、最終的に透析に至ります。現在透析に至る原因の第一位は糖尿病性腎症です。神経障害には足のしびれ、違和感、こむら返り等から始まり、足の潰瘍や壊疽に至ります。一方、②の太い血管の障害は、全身の血管が狭くなり、血液がスムーズに流れなくなる状態です。病気としては、狭心症・心筋こうそく・脳こうそく・閉塞性動脈硬化症などがあります。糖尿病があるだけでも2~3倍動脈硬化が進みやすくなります。